優しい言葉
モデルとしていろんな現場に行くことがありますが。
例えば教える人、と教わる人の立場がいろいろです。
学校とかだと先生が絶対的で。言葉も生徒のことを想うがため、きつくなることもある。
才能がどうとか関係なく、今、教師として伝えるべきことを伝えてる感じ。
デッサン学んで画家として成功する人はどれくらいいるのだろう?
彫刻家として食べていける人はどれくらいいるのだろう?
もちろん技術を教え才能を伸ばしつつ、もしもの時のセーフティーネットはきちんとしてあげる。
若い彼らが仕事を得るためにはどこかで妥協し、自らの製作もしながらも依頼された作品を作り収入を得る、これがいいとこで。
ほとんどの方は組織の一員として頼まれたものを作るのが精一杯なんじゃないのかな‥。
そうやって社会に出た時に必要なこと、ちゃんと教えなきゃいけないもんね。
今回は年齢層が高めの、はっきり言うと定年後に趣味として絵画を楽しむ、みたいなスクールにいきました。
講師の方が若いです。
でもその先生、ほんとに言葉選びのセンスがめっちゃよくて。
誰が聞いてもみんな気持ちいいんだよね。
あまり技術がない生徒にはちゃんと技術を教えつつ、
でも、◯◯さんのこの絵は不思議な魅力がありますよね。(教えたような)技術にとらわれずに描いてもいいと思いますよ。
なんて、希望を持たせてくれたり。
雰囲気がなんとも言えずいいですねー。私は好きですよ。なんていいつつここはもう少し暗い色味にした方がメインが活きるかも。なんて。
とても心地よくアドバイスを素直に受け入れられる。
年下から教わるのが嫌な人でも全くいやな思いはしないんじゃないかな、と思うのです。
この先生ほんと素敵だなーと思ったのが。
写真を撮らせてもらえなかったから正確に書けないと言った方に対して
だからいいんですよ!絵は生ものです。デジタルにはない、感じられない生のものを描くのがいいんです。
その時、その瞬間に美しいと思ったものを思うように残せばいい。
完全な複製はデジタルに任せたらいいんです。
と、ピシャッと言ってくれた時。
私がここでこうしているのは無駄じゃないんだなととても嬉しく思いました。