初仕事の日
それはもう、朝からずっと緊張して何度も鏡でチェックしながら過ごしてました。
で、いざ、その場についたら。
想像以上に想像通りのお部屋で(笑)
真ん中にモデル台。ぐるっと囲むようにイーゼル。
あれ?聞いてたより多いような…。
着替えはこちらで、と部屋の片隅にパテーションでかこったスペースがあり、中には姿見とハンガーがありました。
持参した大きめなタオルで身体を隠してモデル台の横に用意された椅子に座って時間まで待ちました。
みなさんが揃うまでの間に、優しそうないかにも芸術肌のおじさまの代表の方とお話をして。
クロッキーをします。ポーズはまぁ適当にお願いします。って、えー!指導してくれるって言ったじゃーん!
クロッキーとは2分、5分、10分と短い時間に全体をつかみデッサンするもののようです。
なので私は3時間もの間、クルクルとポーズわ変えながら人の前に立つと言うことです。
ポーズは指導してくれると聞いてました…。
と勇気を出して伝えると。そんなに深く考えなくても大丈夫、右足から左足に重心を変えるだけで違うポーズだから、と、いたずらっ子のようにニコッとしてくるおじさま。
あーもうやるしかない。
なるようになれ(>_<)と覚悟を決めました。
で、やっぱり20人くらいって聞いてたのにやたらたくさん人が来て。予想より男性が断然多かったなー。
次から次とイーゼルを出して、場所が足りなくなって
ついにはモデル台のすぐそばに座る強者も(泣)
そこ絶対丸見えになるじゃん。確信犯か?
でもみんないたって普通の顔してる。
独特な雰囲気です…。
では始めましょう、と代表者が。
今日は5分のクロッキーです。5分✖️4ポーズ、5分の休憩。の流れでいきましょう。ではモデルさん、用意をお願いします。
はい。と小さな声でこたえ、タオルを取りモデル台に立ちました。
全身が一気に熱くなり、たぶん赤くなってたと思います。一つ目のポーズを取ると代表者がストップウォッチをスタートさせ 「お願いします」というと参加者みなさんが「お願いします」と続け紙の上を鉛筆がすべる音でいっぱいになりました。
その日、どんなポーズをしたのかあまり覚えてません。
ポーズをした瞬間に次のポーズはどうしよう、と頭の中はフル回転してました。
タイマーがなると「ありがとうございました」を言われ、ポーズを変えてまた「お願いします」で始まります。
緊張したのは最初の方だけで後半はいかにモデル台のすぐ下に座っている人に大事なところを丸見えにしないようゆ考えていた気がします(笑)
でも、やってみてわかりました。
グラビアなどのセクシーなお姉さんのイメージだったんだけど。ぜんぜん違う。
もう、ほんとにただの物体として見られてる。体の凹凸も影も重心も。そこに花かりんごが置いてあるかのように観察しているだけのようでした。
だーれも私の胸の大きさなんか気にしてない。その凹凸を観察して描いてるだけ。
途中、代表の方から缶コーヒーをいただき、3時間の予定でしたが最後の30分は講評会をするから、と私の仕事は2時間半で終わりました。
でも時給はちゃんと3時間分いただきましたよ。
これならできるかも…と思い、今に至ります。
ちなみに、その時の代表の方が後日、私のことをとても褒めてくださっていたと聞きました。
体幹がしっかりしててポーズが決まる。ぜひ続けてもらえるようように伝えて欲しいと。
ありがたいですね。私なんかを必要としてくれて。
ではまた。